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吸入ベータ2作用薬のネブライザー使用の禁止に関する注意喚起

重要な案内

世界アンチ・ドーピング機構(WADA)より、禁止表国際基準(禁止表)の禁止物質『S3.ベータ2作用薬』の吸入使用の一種であるネブライザー(噴霧器)の使用に関する見解が示されましたので、アスリート、サポートスタッフ、競技団体およびその他関係者の皆様に以下の情報提供および注意喚起を致します。

[参考:2021年禁止表国際基準(禁止表)の日本語訳]
すべての選択的および非選択的ベータ2作用薬は、すべての光学異性体を含めて禁止される。

-物質名例示省略-
[例外]
・吸入サルブタモール(24時間で最大1600μg、いかなる用量から開始しても12時間で800μgを超えないこと)
・吸入ホルモテロール(24時間で最大投与量54μg)
・吸入サルメテロール(24時間で最大200μg)
・吸入ビランテロール(24時間で最大25μg)

[注意]
尿中のサルブタモールが1000 ng/mL、あるいは尿中ホルモテロールが40 ng/mLを超える場合は、治療を意図した使用ではないため、管理された薬物動態研究を通してその異常値が上記の最大治療量以下の吸入使用の結果であることを競技者が立証しないかぎり、違反が疑われる分析報告(AAF)として扱われることになる。

[WADAの見解]
『S3.ベータ2作用薬』を吸入使用として、禁止表において許可された最大投与量を超えて使用する場合は禁止する。吸入使用の一種であるネブライザー(噴霧器)使用は、一般的な吸入器[MDI (Metered Dose Inhalers)とDPI(dry powder inhaler)]が上手く利用できない患者に対しても吸入効率がよいとされ、使用されることがある。尿中閾値が設定されているサルブタモールやホルモテロールをネブライザー使用する場合、アスリートの検体から尿中閾値を超えた濃度を検出する可能性がある。
WADAは、www.wada-ama.org/en/questions-answers/prohibited-list-qa にある『禁止表Q&A』のネブライザー(噴霧器)使用に関するQ&Aを変更する予定である。

[WADAの見解に基づくGlobal DRO表示]
Global DROでは治療使用特例(TUE)が必要であることを明示化するため、ネブライザー(噴霧器)使用を『常に禁止』であると表示する。

[Global DROの検索結果]
吸入使用は、『吸入―ネブライザー使用』と『吸入―ネブライザー以外』を区別して表示しますので、必ず投与経路を確認してください。

[アスリートに求められる対応]
・尿中閾値が設定されている『S3.ベータ2作用薬』の吸入使用としてネブライザー(噴霧器)を使用する場合は、尿中閾値を超えるためTUEが必要です。TUE申請の前に、自身の『アスリートカテゴリー』(https://www.playtruejapan.org/athlete/athlete_category.html) を必ず確認してください。

(参考)吸入ベータ2作用薬のネブライザー(噴霧器)による使用の禁止とTUE申請